決算分析

株式会社メイテックグループホールディングス
2026-03期 有報5年推移分析

公開日: 2026/09/19

稼いだぶんは、ほぼ配当へ | 有価証券報告書 2026年3月期

参考株価と時価総額

項目値
前提2026-09-19 時点の参考株価。提出日現在の発行済株式総数で算出
株価3,468円
発行済株式総数78,000,000株
時価総額2,705.0億円

稼いだぶんは、ほぼ全部配当へ ―― メイテックグループホールディングス2026年3月期を読む

提出日:2026-06-22 / 会計期:2026年3月期

項目前期当期前期比
営業利益188.30億円199.03億円+5.7%
フリーCF124.50億円152.66億円+22.6%
配当金の支払額121.88億円154.32億円+26.6%

ようか | 笑顔

利益もフリーCFも増えてる!

いい決算じゃん!!


やよい | あきれ顔

喜ぶ前に、いちばん下の行も見てみるのじゃ。


ようか | キョトン

……配当の支払い?

あれ、フリーCFより大きくない?


やよい | 自信あり

うむ。

稼いだ現金より多く、株主へ払っておる。


ようか | 驚き

それって大丈夫なの!?


やよい | 説明

しかも有報には、配当について気になる注記もある。

順番に見ていくぞ。


目次

  • 会社概要: エンジニアを雇って派遣する会社
  • 収益構造: 設備より人に投資する
  • 前期からの変化: 純利益+18%の中身は!?
  • 当期の注目ポイント: 本業の増益と配当の注記
  • 5年推移の財務諸表まとめ: 5期連続の増収増益
  • 指標まとめ: 稼ぐ力と還元のバランス
  • 補足: データの読み方と注意点

1. 会社概要: エンジニアを雇って派遣する会社

ようか | 笑顔

メイテックグループホールディングスかぁ。

名前からして、機械を作ってる会社だっけー?

やよい姉! 解説よろしく!!

やよい | あきれ顔

惜しいが、ちと違う。

作っておるのは機械ではなく、機械を設計する人のほうじゃ。

ようか | キョトン

人を作る……?

やよい | 説明

エンジニアを正社員として雇い、メーカーの開発部門へ派遣しておるのじゃ。

自前の工場は持っておらん。

大手メーカーの職場に入って、設計や開発を手伝うのが仕事じゃな。

ようか | 驚き

工場じゃなくて、人で稼ぐ会社なんだ!

やよい | 微笑み

そういうことじゃ。

2023年10月に持株会社の形へ移って、今の社名に変わったのじゃ。

ゆり | 無表情

まとめたのです。

区分内容
主力商品・サービスエンジニアリングソリューション事業(メイテックのハイエンドなエンジニア派遣、メイテックフィルダーズのミドルレンジのエンジニア派遣、製造業向けの登録型派遣など)
その他商品エンジニア紹介事業(メイテックネクストによるエンジニア専門の転職紹介)
収益形態正社員のエンジニアを同じ取引先へ続けて派遣する、ストック型寄りの収益が中心。転職紹介は成約ごとの成功報酬
開示区分日本基準の連結。エンジニアリングソリューション事業とエンジニア紹介事業の2セグメント(持株会社は「その他」)

ようか | 驚き

ストック型寄り?

在庫をいっぱい持ってるってこと!?

やよい | あきれ顔

在庫の話ではない。

派遣先が決まると、同じ人がそこで続けて働くじゃろう。

だから売上が毎月くり返し入ってくる、という意味じゃ。

ようか | 笑顔

へー、ずっと入ってくるなら安心じゃん!

やよい | 説明

ただ景気が悪くなって派遣先が減れば、売上もそのまま減る。

それで「寄り」と付けておる、わらわの見立てじゃがな。

ゆり | 無表情

当期のセグメント売上は、エンジニアリングソリューション事業が 1,363.7億円 なのです。

エンジニア紹介事業は 13.2億円 です。

派遣のほうが、セグメント売上の約 99% を占めていますね。

2. 収益構造: 設備より人に投資する

ゆり | 無表情

お金の使い方には、どんな特徴があるのでしょう?

やよい | 自信あり

うむ、よい問いじゃ。

この会社は、設備にはほとんどお金を使っておらん。

当期の有形・無形固定資産の取得は 0.11億円 しかない。

ようか | 驚き

えっ、そんなちょっとなの!?

やよい | 説明

そのかわり、課題に挙げておるのは採用や受注営業、エンジニアのキャリア支援じゃ。

お金をかける先が、機械ではなく人なのじゃな。

ようか | キョトン

じゃあ、人を増やせば売上も増えるってこと?

やよい | 説明

ざっくり言えばそうじゃ。

売上は「働いておる人数 × 働いた時間 × 単価」で決まる。

会社は、1日の稼働時間が0.1時間変わると売上高が約1%動く、と説明しておるぞ。

ゆり | 無表情

有報の人数と稼働率を並べたのです。

項目2024/3末2025/3末2026/3末
エンジニア社員数(メイテックとメイテックフィルダーズ)12,253名12,147名12,103名
メイテックの稼働率97.7%98.3%98.5%

ようか | 驚き

稼働率98%って、ほぼ全員働いてるじゃん!

でも人数はちょっと減ってる!?

ゆり | 真剣

会社は2029年3月末にエンジニア社員 13,500人 という目標を掲げています。

対処すべき課題には「採用活動の修正に遅れて採用数の低迷を招いた」とも書いているのです。

やよい | 説明

稼働率は、雇っておるエンジニアのうち、派遣先で働いておる人の割合じゃ。

98%台なら、もう上げる余地はほとんど無い。

会社自身も、採用がうまくいかなかったと認めておるわけじゃな。

ゆり | 無表情

設備ではなく人に投資して、その人の稼働で稼いでいる、ということですか?

やよい | 自信あり

うむ、そのとおりじゃ。

稼働率が上限に近いぶん、これからは人数と単価が売上を左右する。

エンジニアの人数がまた増えていくかは、見ておきたいところじゃな。

3. 前期からの変化: 純利益+18%の中身は!?

売上と利益はどう動いた?

ようか | 笑顔

去年と比べて、売上と利益はどうだったの?

人が増えてないなら、売上も止まっちゃった!?

やよい | あきれ顔

早とちりするでない。

まずは表で見るのじゃ。

項目前期比較前期当期
売上高↑1,330.68億円1,376.86億円
売上総利益率↓27.0%26.4%
販管費↓171.02億円163.88億円
営業利益↑188.30億円199.03億円
営業利益率↑14.15%14.46%
特別損益↑△6.21億円+5.35億円
親会社株主に帰属する当期純利益↑127.40億円150.51億円

ようか | 驚き

純利益がすごく増えてる!!

売上はちょっとしか増えてないのに!?

やよい | 説明

本業の営業利益は +5.7% じゃ。

純利益だけ大きく伸びたのは、一度きりの損益が乗っておるからじゃな。

ゆり | 無表情

特別損益の中身を並べたのです。

内訳前期当期中身
固定資産売却益-6.37億円研修施設の売却
減損損失△6.20億円△0.75億円前期は研修施設の減損
その他の特別損失△0.01億円△0.27億円固定資産除却損など
特別損益△6.21億円+5.35億円

特別損益は前期より 11.56億円 良くなったのです。

ようか | キョトン

同じ研修施設で、損したり得したりしてる?

やよい | 説明

前期に研修施設の価値を切り下げて、当期にそれを売ったのじゃ。

前期の損が消えて、当期は売却益が乗った。

ようか | 驚き

ダブルで効いたってこと!?

やよい | 自信あり

うむ。

ただし、毎年くり返す話ではないぞ。

ゆり | 無表情

法人税等の負担率も 30.3% から 27.1% に下がったのです。

ようか | 驚き

税金まで軽くなってたんだ!

じゃあ本業のほうは?

ゆり | 無表情

本業の営業増益、約 10.7億円 の内訳なのです。

要因金額中身
エンジニアリングソリューション事業の増益+13.8億円増収は+47.6億円。メイテックは稼働率の改善で+9.1%の営業増益
エンジニア紹介事業の減益△1.0億円紹介決定数の減少
その他・調整△2.1億円連結の営業増益との差し引き
合計+10.7億円

売上原価率が上がったのは、メイテックフィルダーズの増員に伴う労務費の増加と説明されています。

ようか | キョトン

原価が上がったのに、利益は増えたの?

やよい | 説明

増益のほとんどは、派遣の本業から出ておる。

原価率が上がったぶんは、販管費が 7.14億円 減ったことで埋まった形じゃ。

ようか | 笑顔

販管費はなんで減ったの?

やよい | 説明

そこは有報に書かれておらぬ。

決めつけずにおこう。

キャッシュとネットキャッシュは?

ようか | 笑顔

利益が増えたなら、現金もどっさり増えたんでしょ!?

やよい | 自信あり

これも表で見るのじゃ。

項目前期比較前期当期
現金及び預金↓530.05億円528.39億円
現金及び預金の対資産率↑56.63%58.83%
有利子負債-0.00億円0.00億円
ネットキャッシュ↓530.05億円528.39億円
ネットキャッシュ比率↑21.05%22.22%
現預金の月商比↓4.8か月4.6か月
自己資本比率↑52.11%54.30%

ようか | 驚き

あれ!?

現金ぜんぜん増えてない!

やよい | 説明

冒頭でも触れたが、稼いだぶんを配当で払っておるからじゃ。

くわしくはフリーCFのところで見る。

ようか | キョトン

あと、ネットキャッシュ?

やよい | 微笑み

現預金から借金を引いた、正味の手元資金のことじゃ。

この会社は借金がゼロじゃから、現預金と同じ額になる。

ゆり | 無表情

総資産は 37.91億円 減ったのです。

会社は、未収消費税が約36億円減ったことを主な理由に挙げています。

ようか | キョトン

へー、資産のほうが減ってたんだ。

じゃあ、現金の量はこれで足りてるの?

ゆり | 真剣

会社は、資金残高が連結売上高予想の月商3か月分を上回ることを、

利益配分の条件にしているのです。

当期末は 4.6か月分 です。

ようか | 笑顔

3か月分あればいいのに、なんでそんなに貯めるの?

やよい | 説明

会社は「常に経済危機は起こる」という前提を置いておる。

リーマンショックのあと、2010年3月期に連結で 49億円 の営業赤字を出した経験があるのじゃ。

ようか | 驚き

赤字になったことあるんだ!

やよい | 微笑み

うむ。

正社員のエンジニアの雇用を守るための蓄え、という考え方じゃな。

フリーCFはどうなった?

ようか | 笑顔

フリーCFってやつは!?

やよい | 自信あり

表を見るのじゃ。

項目前期比較前期当期
営業CF↑134.48億円152.53億円
投資CF↑△9.98億円0.13億円
フリーCF↑124.50億円152.66億円
財務CF↓△121.89億円△154.33億円
うち配当金の支払額↓△121.88億円△154.32億円

ようか | 驚き

フリーCFが30億円近く増えてる!!

ゆり | 無表情

増減の中身を分けてみたのです。

まず営業CFの増加 18.05億円 の内訳です。

営業CFの要因前年差
税引前利益の増加+23.46億円
法人税等の還付額の増加+7.38億円
賞与引当金の増加幅の拡大+5.95億円
消費税等(未収と未払の差し引き)+1.46億円
固定資産売却益の差し引き△6.36億円
減損損失の減少△5.45億円
売上債権の増加△5.03億円
CF明細の「その他」の減少△8.53億円
上記以外の増減+5.17億円
合計+18.05億円

次に投資CFの改善 10.11億円 の内訳なのです。

投資CFの要因前年差
有形固定資産の売却収入(研修施設)+8.29億円
有形・無形固定資産の取得の減少+1.49億円
長期前払費用の取得の減少など+0.33億円
合計+10.11億円

営業CFが増えた主因は、税引前利益の増加ですか?

やよい | 説明

うむ、いちばん大きいのはそこじゃ。

そこへ法人税の還付が乗った。

ようか | キョトン

売却益は、マイナスになってるけど?

やよい | 説明

売却益は、現金の出入りが無い利益ゆえ、営業CFでは差し引かれるのじゃ。

売った代金のほうは、投資CFの 8.29億円 に入っておる。

ようか | キョトン

消費税の差し引き?

全然わからん!

やよい | 微笑み

前期は、国から戻ってくる消費税と、国へ納める消費税が両方とも増えておった。

当期はその両方が減った。

片方は入り、片方は出ていくから、差し引きでは 1.46億円 しか効いておらんのじゃ。

ゆり | 無表情

財務CFは、配当金の支払額が 32.44億円 増えたのです。

自己株式の取得は、当期はゼロです。

ようか | 笑顔

配当ってどれくらい払ってるの?

ゆり | 無表情

表にしたのです。

項目前期比較前期当期
1株当たり年間配当↓198円196円
うち中間配当↑88円90円
配当総額(決議ベース)↓152.9億円151.3億円
連結配当性向↓120%100.5%

前期の 198円 には、創業50周年の記念配当 30円 が入っているのです。

配当総額は決議した金額で、CFの配当金の支払額とは払った時期がずれます。

ようか | 驚き

配当性向100%って、利益ぜんぶ配当!?

やよい | 説明

そういうことじゃ。

会社は「総配分性向は100%以内を原則」「配分方法は配当を基本」という方針を出しておる。

ようか | キョトン

自社株買いはしないの?

やよい | 説明

PBRが3倍を下回るときに検討する、としておるな。

ようか | キョトン

PBR?

やよい | 説明

時価総額が純資産の何倍か、という物差しじゃ。

参考株価で計算すると、今は約 5.5倍 じゃ。

今の方針のままなら、自社株買いの条件には当たらぬ。

ゆり | 真剣

もう一点、有報の配当の注記に書かれていることがあるのです。

2025年10月30日の取締役会決議で実施した中間配当が、

会社法などで計算される分配可能額を超えていたことが判明した、とあります。

会社は2026年5月9日に、外部の弁護士と会計専門家による調査委員会を設置したのです。

ようか | キョトン

ぶんぱいかのうがく?

全然わからん!

やよい | 説明

会社が配当に使ってよい上限の金額じゃ。

連結の利益ではなく、配当を出す会社そのもの、

ここでは持株会社の単体の数字をもとに計算する。

ようか | 驚き

その上限を超えちゃってたの!?

やよい | 説明

うむ。当期の中間配当が、その上限を超えていたということじゃ。

ゆり | 無表情

有報には、調査を行い、調査結果等を踏まえて内部統制の整備強化に取り組む、と書かれています。

調査結果の中身は、この有報には書かれていないのです。

配当への影響は、どう見ればよいのですか?

やよい | 説明

なぜ超えたのか、調査で何が分かったのかは、この有報からは読み取れぬ。

推測で決めつけるのはやめておこう。

配当の決め方が変わるのかは、今後の会社の開示で確かめる必要があるのぅ。

ゆり | 微笑み

前期からの変化を並べ直したのです。

  • 営業利益は +5.7%、純利益は +18.1% なのです。
  • 現金及び預金は △0.3% で、有利子負債はゼロのままなのです。
  • フリーCFは +22.6% なのです。
  • 配当金の支払額は、フリーCFを 1.66億円 上回ったのです。

4. 当期の注目ポイント: 本業の増益と配当の注記

ようか | 泣きつく

ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~😢

ゆり | 微笑み

まとめてみました


▶ 売上高は前期比 +3.5% の 1,376.86億円、営業利益は +5.7% の 199.03億円 なのです。営業利益率は 14.15% から 14.46% に上がったのです。原価率は上がりましたが、販管費が 7.14億円 減ったのです。

▶ 純利益は +18.1% の 150.51億円 なのです。研修施設の売却益 6.37億円 と、前期の減損 6.20億円 が無くなったことで、特別損益が 11.56億円 良くなったのです。

▶ 手元資金は、現金及び預金が △0.3% の 528.39億円 で、ほぼ横ばいなのです。有利子負債はゼロで、月商の 4.6か月分 なのです。

▶ フリーCFは +22.6% の 152.66億円 なのです。いちばん大きい増加要因は税引前利益の増加 23.46億円 で、研修施設の売却収入 8.29億円 も入っているのです。

▶ ネットキャッシュは 528.39億円 で、参考株価ベースの時価総額に対する比率は 19.53% なのです。1倍には届いていないのです。

▶ ストック型寄りのエンジニアリングソリューション事業が、セグメント売上の約 99% を占めているのです。

▶ 1株配当は 196円、連結配当性向は 100.5% なのです。当期の配当金の支払額 154.32億円 は、フリーCFを少し上回ったのです。

▶ 当期の中間配当 90円 が分配可能額を超えていたことが判明し、調査委員会が設置されたのです。調査結果の中身は有報には書かれていないのです。

5. 5年推移の財務諸表まとめ: 5期連続の増収増益

ようか | 笑顔

前期との違いは分かったけど、もっと長いスパンで見るとどうなんだ!?

やよい | 自信あり

うむ、まずは稼ぐ力から見ていこう。


項目2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期
売上高1,0711,1911,2701,3311,377
当期純利益92123123127151
営業利益128165177188199
営業利益率12.0%13.8%13.9%14.2%14.5%

やよい | 説明

ようか、ここから何を見る?

ようか | 笑顔

売上も利益も、5年間ずっと増えてる!

きれいに右肩上がりだな!

やよい | 自信あり

うむ、5期連続の増収増益じゃ。

ただ、売上の伸び方はだんだん小さくなっておる。

ゆり | 無表情

伸び率と中身を並べたのです。

項目2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期
増収率+10.9%+11.1%+6.6%+4.8%+3.5%
売上原価率73.7%72.5%73.0%73.0%73.6%
販管費率14.4%13.6%13.1%12.9%11.9%
エンジニア社員数(期末)-11,906名12,253名12,147名12,103名
メイテックの稼働率94.3%97.2%97.7%98.3%98.5%

ようか | 驚き

人数はあんまり増えてないのに、稼働率がどんどん上がってる!

やよい | 説明

そこじゃ。

2023/3期の +11.1% は、コロナ明けで稼働率が戻ったうえに、

エンジニアが 641名 増えた年じゃった。

ようか | キョトン

そのあとは?

やよい | 説明

人数はほぼ横ばいで、稼働率を上げて売上を伸ばしてきたのじゃ。

ようか | キョトン

じゃあ利益率が上がったのは、なんで?

やよい | 説明

原価率は73%前後で、ほとんど動いておらん。

上がったぶんは、ほぼ販管費率が 14.4% から 11.9% に下がったおかげじゃ。

ゆり | 無表情

2024/3期は、営業利益が増えたのに純利益はほぼ横ばいなのです。

法人税等が 10.3億円 増えています。

理由は何ですか?

やよい | 説明

その前の年は、法人税の特別控除で税負担が軽かったのじゃ。

わらわの見立てじゃが、その控除が縮んで元の水準に戻ったのじゃろう。

控除の中身までは、有報からは追い切れぬがな。

ようか | 笑顔

税金しだいで、純利益ってけっこう変わるんだな!

やよい | 自信あり

うむ。

さて、次はキャッシュの流れを追っていくぞ。


項目2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期
現金及び預金497510527530528
現金及び預金の対資産率60.9%60.3%58.1%56.6%58.8%
ネットキャッシュ497510527530528
ネットキャッシュ比率27.34%25.45%21.89%21.05%22.22%
フリーCF133124136125153

ようか | 驚き

フリーCFは毎年120億円以上あるのに、現金はあんまり増えてない!

ゆり | 無表情

5期の累計を並べたのです。

項目5期累計
フリーCF669.43億円
配当金の支払額△481.08億円
自己株式の取得△111.24億円
差し引きの残り77.11億円

稼いだフリーCFのほとんどを株主に返しているから、現金が増えない、ということですか?

やよい | 自信あり

うむ、そういうことじゃ。

稼いだぶんを、ほぼ全部返しておる。

ようか | 驚き

全部!?

やよい | 説明

しかも返し方が途中で変わった。

2024/3期までは自社株買いも使っておったが、2025/3期からは配当だけになっておる。

ゆり | 無表情

現預金の月商比は 5.6か月 から 4.6か月 になったのです。

やよい | 説明

現預金が横ばいのまま、売上だけ増えたからじゃ。

それでも会社の基準の3か月分は上回っておる。

ようか | 驚き

配当だけになったのも気になる!

配当ってどれくらい増えたの?

ゆり | 無表情

1株配当の推移なのです。

項目2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期
1株配当(分割調整後)72.5円102円114円198円196円
連結配当性向63.7%66.3%72.1%120%100.5%

2022年7月に1株を3株に分割したので、2022/3期は実際の 217.5円 を3で割った値なのです。

ようか | 驚き

5年で2.7倍!

やよい | 説明

配当性向を上げてきた結果じゃな。

分割をまたいで比べるときは、分割調整後の数字で見るのじゃぞ。

実額のまま並べると、2022/3期だけ大きく見えてしまう。

ゆり | 微笑み

さらに詳しく知りたい人向けに、財務諸表をまとめました。

必要な方は以下を開いてください。

▼ 財務諸表を見る

ゆり

詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。

▼ BS(貸借対照表)

項目2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期
現金及び預金497510527530528
流動資産669695748771728
有形固定資産5048474337
総資産816846908936898
流動負債197208258280245
固定負債166170173168165
純資産453467477488488
自己資本比率55.5%55.2%52.6%52.1%54.3%

▼ PL(損益計算書)

項目2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期
売上高1,0711,1911,2701,3311,377
売上原価7898649279711,014
売上総利益282327342359363
営業利益128165177188199
親会社帰属純利益92123123127151

▼ CF(キャッシュ・フロー計算書)

項目2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期2026/3期
営業CF135128147134153
投資CF△3△4△11△100
財務CF△87△110△119△122△154
フリーCF133124136125153
現金増減4613173△2

(連結・日本基準、単位は億円。現金増減は現金及び現金同等物の増減額。2026/3期の投資CFは+0.13億円)

6. 指標まとめ: 稼ぐ力と還元のバランス

やよい | 自信あり

ここまでを、ざっくりまとめよう。

ゆり | 無表情

5期の起点と当期を並べたのです。

項目2022/3期2026/3期
売上高1,071.40億円1,376.86億円
営業利益128.17億円199.03億円
営業利益率12.0%14.5%
ROE(会社開示)20.59%30.86%
ネットキャッシュ497.06億円528.39億円
1株配当(分割調整後)72.5円196円

ようか | キョトン

ROE?

全然わからん!

やよい | 説明

株主から預かったお金で、1年にどれだけ利益を出したかの割合じゃ。

会社は2026年4月からの中期計画2028で、2028年度にROE 30% を目標にしておる。

ようか | 驚き

もう30%超えてるじゃん!

やよい | 微笑み

うむ。

ようか、最後にまとめるのじゃ。

ようか | 自信あり

借金ゼロで現金も500億円以上あって、利益も5年連続で増えてる!

でも稼いだぶんは、ほとんど配当で返してる。

あとはエンジニアの人数がまた増えるか、配当の注記がどうなるか、これからも見ていきたいな!

ゆり | 微笑み

さらに分析したい人向けのデータは、下を開いて見てください。

分析用データを見る

指標まとめ(2026年3月期)

やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は流動比率やEBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率やネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER17.97倍時価総額2,705.04億円 ÷ 親会社株主に帰属する当期純利益150.51億円。研修施設の売却益6.37億円を含んだ利益に対する値
現金比率58.83%現金及び預金528.39億円 ÷ 総資産898.14億円。5期では56.63〜60.92%で推移
流動比率296.8%流動資産728.40億円 ÷ 流動負債245.44億円。5期では275〜340%で推移
ネットキャッシュ528.39億円現金及び預金528.39億円 + 有価証券0円×0.7 − 有利子負債0円
ネットキャッシュ比率19.53%ネットキャッシュ528.39億円 ÷ 時価総額2,705.04億円
EBITDA201.79億円営業利益199.03億円 + 減価償却費2.76億円。設備が軽く、営業利益とほぼ同じ
EBITDA/自己資本41.38%EBITDA201.79億円 ÷ 自己資本487.64億円
EBITDA/利息該当なし有利子負債も支払利息も無いため算出できない
ROIC28.57%営業利益199.03億円×0.7 ÷ 投下資本487.64億円(借入金が無いため自己資本のみ)。5期では19.81%→28.57%

リスク

ようか: 有報からの抜粋だぜ!

  • 社会的な信用等の確立: 自社や同業他社のコンプライアンス違反で、派遣業界全体の信用が落ちると業績に影響する。
  • 多数のエンジニアの常時雇用: 正社員として雇っているため、派遣者数・稼働率・稼働時間・単価が下がると原価率がそのまま上がる。
  • 人材の確保: 採用競争の激化などで優秀な人材を確保できないと、事業収益に直結する。
  • 顧客情報の管理: エンジニアが顧客の設計・開発の機密情報に直接触れる機会が非常に多い。
  • 個人情報の管理: 人材ビジネスのため多くの個人情報を扱っている。
  • 許認可及び法的規制: 労働者派遣事業・有料職業紹介事業の許可要件を欠くことや、労働者派遣法など関係法令の不利な改定。
  • 会計制度・税制等の変更: 税務当局との見解の相違による予想外の納税負担を含む。
  • 経営計画: 市場環境や経済情勢が想定を超えて変化すると、計画が達成されない可能性がある。
  • 自然災害・事故: 当社グループや顧客の重要な設備が損壊する被害。
  • 重要な訴訟等: 機密情報をめぐる紛争や、多数の労働者を雇用することに伴う労働紛争など。
  • 経営者の認識: 特に重要な事項は、資源価格等の急騰、緊迫する国際情勢、円安などによる企業業績の悪化としている。

株主還元

ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。

項目数値補足
発行済株式総数78,000,000株2022年7月1日に1株を3株に分割。2024年3月に450万株を消却して以降は増減なし
自己株式数793,291株自己保有割合1.02%。保有上限は発行済株式総数の5%で、超える分は消却している
1株当たり年間配当196円中間90円+期末106円(期末は2026年6月23日の定時株主総会で決議予定)
配当利回り5.65%参考株価3,468円ベース
連結配当性向100.5%前期は創業50周年の記念配当30円を含む198円で120%
配当総額151.31億円中間69.48億円+期末81.83億円(決議ベース)。当期のCFの配当金の支払額154.32億円とは支払時期がずれる
利益配分の方針総配分性向100%以内配当性向の下限は連結株主資本配当率5%。配分方法は配当を基本とし、資金残高が月商3か月分を上回ることを条件とする
自己株式の取得当期0円PBRが3倍を下回るときに検討する方針。参考株価ベースのPBRは約5.5倍。2022/3期〜2024/3期は毎年34〜42億円を取得
中間配当の分配可能額超過—2025年10月30日の取締役会決議で実施した中間配当が、分配可能額を超えていたことが判明。2026年5月9日に外部の弁護士・会計専門家による調査委員会を設置。調査結果の中身は有報に記載なし
ストック型収益との関係約99%ストック型寄りと推し量ったエンジニアリングソリューション事業が、セグメント売上の約99%を占める。配当の原資はこの事業の利益
大株主信託口が上位信託銀行の信託口19.55%・9.01%、明治安田生命6.08%、日本生命4.33%など。所有者別では金融機関41.67%、外国法人等32.86%

7. 補足: データの読み方と注意点

参考株価は本記事を作成した時点の値(3,468円、2026-09-19時点)を使用しています。時価総額・PER・PBR・配当利回り、当期の注目ポイントと指標まとめのネットキャッシュ比率は、この株価を前提とした参考値で、自己株式は控除していません。

5年推移表とグラフ、前期からの変化の表のネットキャッシュ比率は、各期の有価証券報告書の提出日終値と、当時の提出日現在の発行済株式総数から算出した各期の時価総額に基づく参考値です。各期の提出日終値は次のとおりです。

  • 2022/3期: 6,470円(2022-06-22、発行済株式総数28,100,000株)
  • 2023/3期: 2,430円(2023-06-23、同82,500,000株)
  • 2024/3期: 3,089円(2024-06-21、同78,000,000株)
  • 2025/3期: 3,229円(2025-06-18、同78,000,000株)
  • 2026/3期: 3,049円(2026-06-22、同78,000,000株)

2022/3期は1株を3株に分割する前のため、分割前の株価と分割前の発行済株式総数28,100,000株を組み合わせています。当期の注目ポイントと指標まとめのネットキャッシュ比率(19.53%)は記事作成時点の参考株価で算出しており、算出の前提が異なるため、5年推移表の当期の値(22.22%)とは一致しません。

ネットキャッシュは、現金及び預金に有価証券を7掛けで加えた金額から、有利子負債を差し引いた値です。有価証券の計上と有利子負債はいずれもありません。退職給付に係る負債165.04億円は有利子負債に含めていません。

キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期末残高は、抽出した財務データでは取得できませんでした。そのため、有価証券報告書の主要な経営指標等に記載された期末残高と一致する、貸借対照表の現金及び預金の値を用いています。

2022年7月1日に1株を3株に分割しています。1株配当の5年推移は分割調整後の値で、2022/3期の実際の1株配当は217.5円です。

エンジニア社員数(メイテックとメイテックフィルダーズの合計)と稼働率は、有価証券報告書の経営成績の説明に記載された値です。2022/3期と2023/3期の稼働率は、持株会社体制へ移行する前のメイテック単体の値です。2022/3期末のエンジニア社員数は同じ基準の記載が無いため「-」としています。

ストック型・フロー型の区分は会社が開示している分類ではなく、開示情報から推し量った推定です。2024/3期の法人税等の増加理由(特別控除の縮小)も推し量った推定を含みます。

営業CFと投資CFの増減の内訳は、キャッシュ・フロー計算書の明細を前期と突き合わせて分解したもので、会社による説明ではありません。「その他・調整」「上記以外の増減」は、合計との差し引きで求めた値です。

販管費が前期から7.14億円減った理由は、有価証券報告書に記載がありません。

当期の中間配当が分配可能額を超えていた件は、有価証券報告書の配当政策の注記に記載された事実のみを記しています。超過の理由、調査結果の内容、今後の配当への影響は、同報告書には記載されていません。

当期の期末配当106円(配当総額81.83億円)は、2026年6月23日の定時株主総会での決議を予定している金額として記載されたものです。

財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。

本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第53期、2026年6月22日提出)をもとに作成した情報整理記事です。 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。